No.22 
2010年4月9日号 

ヘッダー

English | Japanese
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Language Grid Toolbox 新機能リリース

 多言語コラボレーションツールLanguage Grid Toolboxの新機能がリリースされました。

 
■協調翻訳  

協調翻訳は、複数人による文書翻訳の共同作業を支援するために、翻訳作業の進捗を記録し、
共有する機能を提供します。また、翻訳作業を支援するため、辞書・用例対訳・用語集の検索機能や、
複数の翻訳サービスの結果を比較する機能を備えています。

 
■翻訳タスク管理  

この機能では「スムージング」と「校閲」の2つのステップから構成される翻訳タスクを管理します。
スムージングは、翻訳サービスによる翻訳結果を、モノリンガルのネイティブが流ちょうな文章に修正する作業です。
校閲は、スムージングされた文章を、バイリンガルのネイティブが意味を確認しながら修正する作業です。
翻訳タスク管理では、これらの2つのステップについて、締め切りと担当者を設定し、協調翻訳で作成された
翻訳作業中のファイルを関連づけます。

 
■受付支援  

Toolboxに登録されたQ&Aを用いて、店頭や受付などの対面でのコミュニケーションを支援する機能です。
質問や回答は、顧客の言語とスタッフの言語の両方で表示されます。
また、回答には、補足説明として地図や画像を表示することもできます。

 
■Q&A Webインタフェース  

ユーザがWebサイトからToolboxを使っているコミュニティに対して質問をするための機能です。
投稿された質問の回答は、コミュニティ内で議論されます。
質問と回答はToolbox内の多言語Q&A作成機能に蓄積され、ユーザがWebサイトから自由に検索することもできます。

 
■ショールーム  

BBSやディスカッション機能に投稿されたコンテンツを、Toolboxにアカウントを持たないユーザに公開する機能です。
コミュニティ内の活動を外部に紹介するのに用いられます。



協調翻訳・翻訳タスク管理・受付支援は、京都市によって開発されたものです。
また、Q&A Webインタフェース・ショールームは、京都大学によって開発されたものです。

新しい言語資源

新しい言語資源が登録されました。
 
 VoiceTextは音声合成エンジンで、文字列を入力として与えると、 その文字列を読み上げた音声ファイルが出力されます。
言語は日本語(ja),中国語(zh)、英語(en)に対応しており、出力としてwav, oggファイルを選択できます。

(提供者:京都大学 石田松原研究室)

 

定期メンテナンス 5月・6月

5月・6月の定期メンテナンスは、5月10日(月)、6月7日(月) 18:00-21:00 (JST)に行います。
この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。


ユビキタスタウン構想推進事業報告 プレス発表

 平成22年3月12日(金)、COCON烏丸において、「ユビキタスタウン構想推進事業」として京都市からの委託を受けて
(財)京都高度技術研究所がToolbox上に開発した多言語交流支援システムのプレス発表が行われました。

開発された機能の活用事例として、以下のデモンストレーションやポスター展示が行われました。

・ 医療現場における活用:特定非営利活動法人多文化共生センターきょうと
・ 商店街における活用:きょうと情報カードシステム(KICS)
・ 子供たちの国際交流における活用:特定非営利活動法人パンゲア
・ 留学生の住居探しにおける活用:株式会社 ハウスセゾン
・ 大学のゼミ活動における活用:京都大学
・ 寺院における活用:高台寺
・ 大学の留学生支援における活用:立命館大学

また、発表の内容は、下記のメディアに掲載されました。

<報道発表リスト>
3月12日 KBS京都「京プラス」(テレビ放送)
3月12日 KBS京都「京bizW」(テレビ放送)
3月12日 NHK京都「京いちにち」(テレビ放送)
3月13日 京都新聞
    「英語→日本語や中国語 ネットで瞬時に多言語翻訳 システム実演 教育機関など活用期待」
3月13日 朝日新聞
    「多言語使って外国人と交流 下京、システム展示」
3月16日 日本経済新聞
    「観光お助けシステム続々 ネットを介して8言語を翻訳 京都駅に52インチタッチパネル
     商店やホテル向け210ヶ所を案内」


言語グリッド ユーザ紹介(22) 関西大学 堀研究室

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多言語・学校プロジェクト サイト

 

 
 関西大学総合情報学部の堀研究室では、ユーザ中心デザインの立場から情報システムのユーザビリティ評価手法や、システムの背後にある情報分類体系の設計方法論の研究に取り組んでいます。
 言語グリッドアソシエーションのSIGMUSE(教育現場の多言語利用環境を支える情報基盤技術の研究会)の活動に参加し、全国の関係団体によって公開されている多言語校務文書の主題分類およびその分類に基づいて多面的な検索が可能なポータルサイト構築、さらに多言語の予定表作成ツール等を開発してきました。
 開発はトヨタ財団アジア隣人ネットワーク助成金の支援を受けて行われ、特にツールで必要となる学校現場特有の用例や用語の整備・収集は同じ総合情報学部の喜多研究室を中心に共同研究として行っています。
 これらのツールは昨年10月より多言語・学校プロジェクトのサイトで一般に公開されています。また、このようにして整理された多言語の学校教育用語集は言語資源として言語グリッドにも提供されています。
 
 
(関西大学 総合情報学部 教授 堀 雅洋)
 

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【新編集委員よりごあいさつ】

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前任の角川より新しくニュースレター編集担当者として引き継ぎました宮口と申します。
いままで毎月発行しておりましたニュースレターですが、この22号より、隔月となります。
これまでお読みくださっている皆様、今後とも、言語グリッドニュースレターをどうぞよろしくお願いいたします。

(言語グリッドプロジェクト 宮口 あすか)