コンテンツ
サービスグリッドのオープンソース活動を世界規模で開始
Toolbox 表示言語追加機能
定期メンテナンス 9月・10月
多言語医療問診システムM3(エムキューブ)Webアプリケーション版の公開
言語グリッド ユーザ紹介:東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター
サービスグリッドのオープンソース活動を世界規模で開始
これまでNICTや京都大学など各組織で個別に開発されてきたサービスグリッド関連のソフトウェアが、サービスグリッドオープンソースプロジェクトに開発の場所を移し、オープンソースとして開発が進められるようになりました。このプロジェクトでは、ソフトウェアのソースコードがオープンソースライセンスで公開されており、誰もが要望を挙げたり、開発に参加したりすることが可能です。
現在、主に以下の3つのソフトウェアの開発が進められています。
サービスグリッドサーバソフトウェアは、Webサービスを集積して共有するためのソフトウェア基盤です。著作権など複雑な知財の権利が絡む資源をWebサービス化し、サービスグリッド上で共有することで、提供者は資源を保護しながらサービスを提供することが可能になります。
言語サービスは、機械翻訳や辞書などの言語資源をWebサービスとして利用可能にしたものです。言語資源の種類ごとにサービスのインターフェース定義と、その定義に準拠したサービスを開発するためのライブラリが提供されています。なお、言語グリッドは、サービスグリッドサーバソフトウェア上で言語サービスを利用可能にしたものです。
言語グリッドToolboxは、言語グリッドを利用した、多言語コミュニティにおけるコミュニケーションの支援ツールです。
サービスグリッドサーバソフトウェア・言語サービスはLGPLライセンスで、言語グリッドToolboxはGPLライセンスでそれぞれ提供されています。
■オープンソース活動に参加するには
オープンソースコミュニティサイトで、ユーザアカウントを作成することで、オープンソースコミュニティ活動に参加できます。トップページの「新規アカウント作成」(またはSign up)をクリックして必要な情報を入力すると、アカウントを作成できます。
■要望・質問の投稿
アカウントを作成すると、コミュニティサイトに用意された多言語掲示板にアクセスできるようになります。多言語掲示板では、ソフトウェアごとに、要望や質問を投稿するためのフォーラムを用意しています。
質問や要望に対しては、オープンソースコミュニティのメンバが回答します。挙げられた要望は、コミュニティの開発者による新規機能の開発の参考にされます。
■ソフトウェア開発の手順
ソフトウェア開発の技術があるメンバは、サービスグリッドの関連ソフトウェアの開発に参加できます。プロジェクトで扱われるソフトウェアのコンポーネントは、コアコンポーネントとオプショナルコンポーネントの2種類に分けられます。コアコンポーネントを拡張・修正するには、コミュニティでの合意が必要です。オプショナルコンポーネントは、誰でも好きなように開発できます。コンポーネントの分類は、ソフトウェアごとに定められています(サービスグリッドと言語グリッドToolboxでの分類)。
開発を行うには、まず公開されたソースコードレポジトリから、ソースコードを取得し、自分のマシン上で開発を行います。ソースコードレポジトリは、数多くオープンソースソフトウェアプロジェクトが公開されているSourceForgeに置かれています。これまでに、テキスト翻訳に音声読み上げ機能を追加した拡張バージョンなどがユーザによって開発されています。
オープンソースプロジェクトでは、多くのユーザが参加して、ソフトウェアへのフィードバックや開発を行うことで、より優れたソフトウェアが生み出されます。言語グリッドや言語グリッドToolboxをご利用になる方は、ぜひご参加ください。
Toolbox 表示言語追加機能
8月にリリースされるToolboxの新バージョンに、表示言語の追加機能が加わります。この機能を用いると、Toolbox上で表示されるメッセージやボタンのラベルの言語を設定できます。これまでToolboxでは、標準で日本語と英語のみに対応していましたが、コミュニティのメンバの言語に応じて、必要な言語を追加することができるようになります。
言語を新たに追加するには、まず各機能に標準で設定されているメッセージやボタンのラベルを表示言語追加機能の画面からダウンロードします。次に、ダウンロードしたファイルを、追加したい言語に翻訳します。最後に、翻訳したファイルを表示言語追加機能の画面にアップロードすると、翻訳したラベルがToolboxに反映されます。
定期メンテナンス 9月・10月
9月・10月の定期メンテナンスは、9月6日(月)、10月4日(月) 18:00-21:00 (JST)に行います。この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。
多言語医療問診システムM3(エムキューブ)Webアプリケーション版の公開
NPO多文化共生センターきょうとと、和歌山大学吉野研究室が共同で開発している
多言語医療問診システムM3(エムキューブ)Webアプリケーション版を公開いたしました。
多言語医療問診システムM3は、日本語以外を母国語とするユーザが、自宅からインタ
ーネットを使って、自分の母語で問診を行うことのできるシステムです。問診の内容をプリ
ントアウトしたり、携帯電話に内容を転送したりすることで、病院に持っていき、症状を医師
や病院スタッフに適切に伝えることができます。
現在、日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・インドネシア語・やさしい日本語
(普通の日本語よりも簡単で、外国人もわかりやすい日本語)に対応しています。
言語グリッド ユーザ紹介(24) 東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター
東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターでは、活動の一環として、「外国につながる子どもたちのための教材」を開発し、ウェブサイトから無料でダウンロードできる形で配信しています。
日本語が苦手な子どもたちでも楽しく学べるように、沢山のイラストを用いながらわかりやすい日本語で説明し、部分的に外国語訳を付けています。
使用言語が異なる多くの人たちがこの教材を使用していますが、教材の使用方法や勉強方法について自由に意見を交換できるような掲示板が作れないかと考えていたところ、言語グリッドのことを知り、2009年10月以来、言語グリッドサービスユーザとして参加しています。
2010年5月に、Toolboxを活用した「多言語掲示板」を公開しました。教材ユーザの上位を占めるブラジルの方を対象に、ポルトガル語での表示もできるようにしました。言語の壁を越えて、日頃の勉強で生じる疑問の解決や教え方の情報交換などに役立てていければと思います。