No.13 
2009年7月1日号 

ヘッダー

English | Japanese
■メールでの配信を希望される方は、langrid-newsletter [at] khn.nict.go.jp までご連絡ください。
言語グリッドニュースレターについて

訳してねっと、日本語WordNetが追加されました!

 言語グリッドに、下記の言語資源が増えました。言語資源、サポート言語、提供者の順に記載しています。
 訳してねっと(中→日、英⇔日)/  沖電気工業株式会社
 分野ごとにユーザが辞書を作成し、翻訳精度を上げていくコミュニティ型の翻訳サイトです。将来的には言語グリッド上の辞書も登録可能にすることで、専門用語の単純な置換処理で実現していた既存の辞書連携翻訳サービスよりも翻訳精度が高くなると見込まれています。
 日本語WordNet/ NICT言語基盤グループ
 Princeton WordNetを元に自動的に翻訳し生成された概念辞書です。

Googleが言語グリッドへ参加: Google翻訳が言語グリッドで使えます!

 Google Inc.が言語グリッドへ参加することになりました!
 皆様もおなじみのGoogle翻訳が提供され、すでに言語グリッド上で使えるようになっています。Google翻訳の特長は、なんと言っても言語の多さです。これまで言語グリッドになかったアラビア語、ロシア語などをはじめ、現在42カ国語が翻訳できます。「統計機械翻訳」と呼ばれる、人によって翻訳された大量の文章をコンピュータに学習させ、統計的に翻訳を行うという手法により、多言語での翻訳が実現されています。
 今後、ユーザからの翻訳リクエストは世界各地に置かれたGoogleのサーバのうち、ユーザに一番近い場所にあるサーバに振り分けられるようになり、翻訳速度の向上が期待されます。
 なお、ご利用の際にはプロファイルにある利用条件(License)に必ず目を通し、条件を順守してください。言語グリッドユーザの皆様の国際交流・多文化共生活動や研究にご活用いただけることを願っております。

高電社 J-Server ASPサービス開始

 高電社の機械翻訳J-ServerのASPサービスが「Members Only」の言語資源として言語グリッドに登録されました。こちらは申込者のみ利用できる有料のサービスです。詳細は、以下のページをご覧ください。申込方法は、"How to get Membership"の欄に記載されています。
 J-Server ASPサービス(日本語⇔英語)
 J-Server ASPサービス(日本語⇔中国語(簡体字))
 J-Server ASPサービス(日本語⇔中国語(繁体字))
 J-Server ASPサービス(日本語⇔韓国語)


Langrid ToolBox: Web上で簡単に使えるコラボレーションツール

 NICT言語グリッドプロジェクトでは、ウェブブラウザから誰でも簡単に言語グリッドにアクセスし、多言語コラボレーション活動に利用できるツール群"Langrid ToolBox"をリリースします。初回リリースは8月末9月末の予定です。オープンソースとしても公開しますので、ブラウザ上で利用する他、パッケージをダウンロードし、デザインなどをカスタマイズしてご利用いただくこともできます。
 
 【ドキュメント翻訳】
 文書の多言語翻訳ができるツールです。折り返し翻訳機能により、翻訳結果を再度入力言語に翻訳し直し、正しく翻訳されているか確認することができます。また、もとの文書のフォーマットを維持しながら翻訳することが可能です。
 
 【多言語掲示板】
 掲示板の内容が多言語に翻訳されます。翻訳結果を人が修正し、翻訳品質を向上させることができます。

イメージ図:ユーザ辞書作成画面

 
 【ユーザ辞書】
 機械翻訳と連携し利用するためのユーザ辞書作成ツールです。コミュニティ内の専門用語の追加や編集もできます。
 
 【多言語チャット】(11月末12月末リリース予定)
 ユーザがそれぞれの母国語で容易にチャットすることができます。
 
 【Web翻訳】(10月末リリース予定)
 指定したURLのWebサイトを多言語に翻訳できるツールです。翻訳結果を修正し、修正したページを共有できます。


 (8/26追記)上記の通りリリース時期が延期されました。

定期メンテナンス 8月

 8月の定期メンテナンスは、8月 3日(月) 18:00 - 21:00 (JST)に行います。この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。

受賞・メディア掲載: 多言語医療受付対話支援システムM3

 和歌山大学吉野研究室の宮部真衣さん(博士後期2年)が、下記を受賞されました。
  第28回医療情報学連合大会 研究奨励賞「多言語医療受付支援システム M3 の開発」
 また、下記にM3の記事が掲載されました。
  「5言語で受診手助け:京大病院に新受付システム」(京都新聞 2009年6月4日朝刊 25面)
  「最前線 現場 外国語対応、画面で問診」(日本経済新聞 2009年6月7日朝刊 29面)

言語グリッド ユーザ紹介(13) 名古屋大学 渡邊研究室

写真
スライドの日英翻訳の例

 名古屋大学 渡邉研究室では、社会を「人」と「環境」という2つの側面から捉え、
・人(仮想空間での教育、学習、創造活動を支援する場のデザイン)
・人と環境(交通シミュレーション、実世界でのコミュニティ活動のモデル化)
・環境(時系列データからの知識発見、センサデータを用いた安全運転支援)
という3つの視点で、社会に貢献できる情報通信技術の開発、適用を目標に研究を行っています。上記のうち「創造活動支援」の分野では、プレゼンテーションの設計と再利用を題材とした研究を進めています。私たちはこれまでに、プレゼンテーションにおいて話す内容と手順を決める設計の過程を支援するために、シナリオ作成ツールを開発してきました。
 現在は、国際会議用の英語のスライド作成支援のために、言語グリッドを利用させて頂いています。私たちは、過去に作成された母国語のスライドに機械翻訳を施して、英語のスライドを作成する、というアプローチを採っています。スライドに適した英語表現を得るためには、言い換えや辞書の選択といった処理と、機械翻訳との連携が必要であり、これを実現するうえで、言語グリッドは必要不可欠です。2009年2月の電子情報通信学会AI研究会では、この話題に関して研究発表をさせて頂きました。