No.19 
2010年1月8日号 

ヘッダー

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言語グリッドニュースレターについて

Language Grid Toolbox ホスティングサービス開始

 2009年12月16日より、Language Grid Toolboxのホスティングサービスが開始されました。
こちらは、言語グリッドの各ユーザ組織専用のToolboxを提供するサービスです。このサービスを利用すると、以下のことが可能となります。
 
 ・Toolboxのためのサーバを用意することなく、各組織の目的に合わせたユーザ管理や多言語掲示板の運用が可能です。
 ・Toolboxがバージョンアップすると、ホスティングされたToolboxにも即座に反映されます。
  (バージョンアップによって、すでに登録されているデータが失われることはありません。)
 ・ご依頼をいただければ、利用者向けのトップページのメッセージや、ロゴ、スタイル等のカスタマイズが可能です。
 
 なお、ホスティングサービスは、原則として2010年3月末まで提供いたします。大学の研究室など、サーバをご自身でご用意いただける場合は、運用の本格化に合わせ、順次ご自身のサーバに移行ください。サーバの用意が困難な場合など、希望される組織については、1年間の延長が可能です。
 
 現在ホスティングサービスをご利用になっている組織は下記の通りです。
 
【大学・研究機関】
 関西大学、京都外国語大学、京都高度技術研究所(ASTEM)、
 京都情報大学院大学・京都コンピュータ学院、京都大学、東京外国語大学、龍谷大学、
 立命館大学、早稲田大学、Copenhagen Business School
【NPO】
 多文化共生センターきょうと、パンゲア、JEARN(グローバルプロジェクト推進機構)
【企業】
 株式会社ハウスセゾン、合同会社きょうと情報カードシステム
【その他】
 高台寺
 
 ホスティングサービスの詳細やお申し込み方法、利用規約については、こちらをご覧ください。
 

Language Grid Toolbox 新機能のお知らせ

 Language Grid Toolboxでは、NICTが開発したフレームワーク上で、様々な多言語コミュニケーションのためのモジュールが動作しています。このモジュールをユーザが各自で開発することで、新しい機能をToolboxに追加していくことが可能になっています。この仕組みを利用して、京都市、京都大学、NICTでそれぞれ新機能を開発しています。以下の機能が1月中旬から追加されます。
 
 ■多言語Q&A作成機能(開発元:京都市)
 辞書や用例対訳と同様の言語資源の作成機能で、新たに多言語での質問と応答の組(Q&A)を作成できるようになります。
 
 ■多言語Q&Aサイト機能(開発元:京都大学)
 ユーザがWebサイトからコミュニティに対して質問をするための機能です。
 投稿された質問に対する回答について、Toolboxを使っているコミュニティで議論されます。質問と回答はToolbox内の多言語Q&A作成機能に蓄積され、ユーザがWebサイトから自由に検索することもできます。
 
 ■ファイル共有機能(開発元:NICT)
 コミュニティ内でファイルを共有することができるようになります。
 
 ■ユーザリスト表示機能(開発元:NICT)
 コミュニティ内のメンバーリストを確認できます。
 
 ■ユーザ情報入力フォーム作成機能(開発元:NICT)
 ユーザプロファイルの項目をコミュニティに合わせて自由に設定できます。例えば大学内コミュニティでは、研究科や専攻、分野を設定することで、メンバを識別しやすくなります。
 
 これらの機能は、まずToolboxのお試しサイトと、ホスティングサービスで提供されるToolboxで利用可能となります。その後、ユーザの皆様のご意見を取り入れた正式版を公開する予定です。

 

定期メンテナンス 2月

 2月の定期メンテナンスは、2月1日(月) 18:00-21:00(JST)に行います。
この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。


受賞:バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者 多言語医療受付支援システムM3

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表彰を受ける理事長の重野亜久里さん(左)

 多文化共生センターきょうとが、多言語医療受付支援システムM3により、平成21年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で内閣府特命担当大臣表彰奨励賞を受賞されました。京都市に住む約4万人の外国人住民を主な対象として、コンピュータを利用した多言語医療受付システムの開発、実用化を図り、医療におけるコミュケーションのバリアフリー化に尽力した功績が認められたものです。2009年12月9日に首相官邸にて表彰式が行われました。



言語グリッド ユーザ紹介(19) 公立はこだて未来大学

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函館空港における外国人観光客へのアンケート

<公立はこだて未来大学 プロジェクト学習 函館観光プロジェクト>
 
 公立はこだて未来大学では3年生のときに1年かけてグループで一つのプロジェクトを複数の教員の指導のもとで実施するという授業があります。平成 21年度はその一つとして言語グリッドを用いた函館の観光情報の提供をテーマにしたプロジェクトを実施しています。函館の主要産業の一つは観光で、夜景・魚介類・歴史的建造物・温泉などを目当てに多くの観光客が訪れていますが、国内の観光客は少しずつ減り続けています。
 台湾、韓国、中国などアジアを中心とした海外からの観光客を増やすことが期待されていますが、外国語で十分に観光情報を提供できていないのが現状です。そこで写真のように外国人観光客からアンケートを取ってどのような情報の提供が求められているかを調べ、その情報を言語グリッドを用いて日本語から(半)自動的に外国語に変換するシステムを作っています。近い将来函館の公式の観光サイト(はこぶら)で運用することを目指して頑張っています。
(担当教員 片桐恭弘、藤田篤、松原仁)