No.17 
2009年11月2日号 

ヘッダー

English | Japanese
■メールでの配信を希望される方は、langrid-newsletter [at] khn.nict.go.jp までご連絡ください。
言語グリッドニュースレターについて

「都市の多言語交流基盤」始動 -京都の様々な活動を多言語基盤の上に-

 京都市国際推進室の提案により『都市の多言語交流基盤』の活動が始まりました!
 京都は観光都市であり、年間94万人の外国人が訪れます。また、大学の街でもあるため留学生や外国人研究員など長期滞在者も増加しています。このプロジェクトは、これまでの言語グリッドの研究活動の成果に基づき、世界規模で共有されている多数の言語資源を活用して、京都市に特徴的な国際交流、多文化共生の問題解決を試みることを目的としています。
 具体的な活動は以下の通りです。
 

写真

①街中での国際交流
 商店街や寺院などで外国人観光客の多言語支援を行います。
 京都の商店街1300店舗が加盟しているきょうと情報カードシステム(KICS)高台寺が参加予定です。これまで各店舗や寺院の情報は、外国人向けに提供を行うのが困難でした。そこで、言語グリッドを利用し情報を効率的に多言語化し、その支援をしていく予定です。
 さらに、大量の情報の多言語化が容易にできるように、翻訳支援ツールとしてLanguage Grid Toolboxを拡張する予定です。

写真

 
②留学生の生活支援
 グローバル30(国際化拠点整備事業)に採択された京都大学などの大学で、留学生の大学生活に必要な情報の多言語化を行うとともに、Language Grid Toolboxを拡張してコンテンツを見ながら多言語コミュニケーションができるツールの開発を行います。
 また、留学生向けの住宅情報や大学生活の多言語情報の提供を行います。
 ハウスセゾンの協力を得て、多言語の住宅情報Q&Aのコンテンツを作成するとともに、Language Grid Toolboxを拡張した店頭でのサポートシステムを開発します。
 
③こども達の国際交流
 京都に滞在している家族の支援として、ICTを活用したこども達の国際交流を支援します。NPOパンゲアの協力を得、京都インターナショナルスクールで多国籍のこどもを対象にした活動を実施します。また、同時に国際交流活動をサポートするファシリテータ育成を行います。
 
 

Language Grid Toolbox ver. 1.1 リリース

 多言語コラボレーションツールLanguage Grid Toolboxがバージョンアップしました。
 
・翻訳ホップごとの言語資源の設定
テキスト翻訳やBBS(掲示板)のサービス設定ページで、翻訳パスの各ホップで辞書及び形態素解析サービスを指定できるようになりました。これにより、各ホップに適した辞書のみを選択することが可能です。また、形態素解析を切り替えることで、入力文に対して辞書の単語を正しく置き換えられる形態素解析を選択できます。
 
・テキスト翻訳の翻訳結果エリアの編集機能
テキスト翻訳で、翻訳結果エリアを編集することが可能になりました。編集した訳文は、再度翻訳することで原文の言語で内容を確認できます。この機能は、機械翻訳による翻訳結果を修正しながら訳文の作成を行う場合に活用いただけます。
 
・使用したサービスのライセンス・著作権表示
テキスト翻訳とBBSでの翻訳実行時に、実際に使用したサービスと、そのライセンス情報や著作権情報が表示されるようになりました。
 
・言語グリッド外のサービスの利用
言語グリッドに登録されていない機械翻訳サービスや辞書サービスを、Toolbox上での翻訳に利用することができるようになりました。サービスの登録は、サービス種類・呼び出し先アドレス・対応言語などを設定することで行えます。

 

新しい言語資源が追加されました

 教育分野の言語資源が追加されました。(提供者、言語資源の順に記載しています)
 
滋賀県国際協会多文化共生学校づくり支援サイト 多言語一覧表
言語グリッド運営組織みる あそぶ にほんご 索引・語彙対訳表(南アルプス市役所)


定期メンテナンス 12月

 12月の定期メンテナンスは、12月7日(月) 18:00-21:00(JST)に行います。
この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。


メディア掲載:言語グリッドアソシエーション SIGMUSEの活動が掲載されました

 言語グリッドアソシエーションSIGMUSE(教育現場の多言語利用環境を支える情報基盤技術の研究会)の活動が掲載されました。
 「多文化共生を側面援助」(芸文余話)2009年9月12日, 日本経済新聞夕刊, 8ページ



言語グリッド ユーザ紹介(17) 京都情報大学院大学・京都コンピュータ学院

写真
留学生も交え、プロトタイプの評価中

-kcg.edu 言語グリッド・国際交流支援プロジェクト-
 
 京都情報大学院大学京都コンピュータ学院は言語グリッドプロジェクトに言語サービスユーザとして2009年4月より参加しています。
 国際交流支援プロジェクトと題し、日本在住の外国人や、海外に提携校をもつ中学・高校に対して異文化コミュニケーションを活発に行えるサイト・ツールの開発、京都コンピュータ学院および京都情報大学院大学に在学する留学生の学習支援を行うツールの開発を主な目的として活動しています。
 このプロジェクトに参加している学生は学年やそれぞれの時間割、校舎も異なるため全員が同じ時間・同じ場所でミーティングできないのが難点で、メールやBBSを活用しています。また京都大学石田・松原研究室の大学院生も開発に加わり、サービスの利用についての勉強会の実施や、開発している翻訳ツールのテストや改良提案など設計、実装、テストを3つの学校で協力・連携をとりながら進めています。学生の中には留学生も数人おり、開発チームそのものが学校も国も異なる、異文化交流のよい場となってお互いに良い刺激を受けながら頑張っています。
(京都情報大学院大学 准教授 植田浩司)