No.26 
2010年12月28日号 

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言語グリッドニュースレターについて

言語グリッドの連邦制運営開始

11月3日に言語グリッド京都オペレーションセンター(京都大学社会情報学専攻)と言語グリッドバンコクオペレーションセンター(NECTEC)との間で覚書が相互に締結されました。これにより、1月から言語グリッド京都オペレーションセンターと言語グリッドバンコクオペレーションセンターによる言語グリッドの連邦制運営を開始いたします。それぞれのオペレーションセンターが運営している言語グリッドのサーバソフトウェア間を接続することで、言語サービスのリストを共有できるだけでなく、言語サービスを相互に利用することが可能になります。したがって、言語グリッドバンコクオペレーションセンターの言語グリッドに登録されていた、NICT TCL提供のインドネシア語、韓国語、タイ語、日本語、ヒンディ語、ベトナム語などアジアの13言語に対応したAsian WordNetやタイ-ラオ翻訳、NECTEC提供のタイ語の3種の形態素解析、英泰辞書であるLexitron、英泰翻訳のParsit、タイ語の音声合成VAJAをご利用いただけます。

 

言語グリッドバンコクオペレーションセンターが管理している言語サービスを呼び出すには、これまでと同様にサービスマネージャでWSDLを取得する必要があります。図にあるように、言語サービスの一覧表示をタブで切り替えて、言語グリッドバンコクオペレーションセンターの言語グリッドに登録されているサービスのリストを表示し、WSDLを取得してください。また、言語サービスは、京都オペレーションセンターの管理しているコアノードを経由して呼び出すため、原子サービス単体だけでなく、複合サービスにバインディングしてもご利用いただけます。複合サービスにバインディングする際は、サービスリストのタブに表示されたグリッドIDを用いて、「グリッドID:サービスID」の形式で指定してください。

 
 
言語サービス一覧 (左:京都 右:バンコク)

 

連邦制運営により、言語グリッドバンコクオペレーションセンターの言語グリッド利用組織からも、同様に言語グリッド京都オペレーションセンターの言語グリッドに登録されている言語サービスへのアクセスが可能になります。利用を許可されたい言語サービスの提供者は、サービスマネージャの[Providing Services] -> [Your Language Services]で、サービスプロファイル内のTerms of Service UseのFederation Useにチェックを入れてください。なお、覚書の締結時に送付いただいた資源・サービス利用許諾シートにて「NECTECが運営する言語グリッドの利用組織(連携利用組織)に対して、一括して許可する」を選ばれた場合は、既にFederation Useにチェックが入っています。また、利用組織別に設定されたい場合は、[Providing Services]->[Control of Language Ser-vices]で設定いただけます。


サービスマネージャの新機能リリース

言語グリッドサービスマネージャで自分のサービスの実行履歴を閲覧することが可能になりました。ログイン後、[Using Services] -> [Your Service Calls] からご利用ください。サービスの呼び出し時刻だけでなく、連携させた言語サービスの内訳やサービス呼び出しに成功したかどうか、各サービスの実行時間やデータ転送量、著作権表示やライセンス情報も確認できます。サービス呼び出しに失敗した場合は、そのエラー内容も確認いただけます。この機能により、サービス呼び出しに失敗した場合に、呼び出し状況をトレースすることが可能になります。


新しい言語資源が追加されました

(言語資源名、サービスID、提供者の順に記載しています)

  • Julius(音声認識)/Julius/京都大学 学術情報メディアセンター ディジタルコンテンツ研究部門 河原研究室

マイク等で入力された音声データを認識し、テキストに変換する音声認識ソフトウェアです。Juliusは、言語グリッドに登録された最初の音声認識サービスです。Julius自体は、与えられたモデルや辞書によって様々な言語で利用できますが、現在言語グリッドに登録されているJuliusのサービスは、日本語のみに対応しています。

  • BLEU(類似度計算)/BLEU/京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻 石田・松原研究室

2つの文章の類似度を計算します。原文と折り返し翻訳の類似度を計算することで、類似度が高いものを翻訳文の品質が高いと推測することができます。この類似度計算と複数の翻訳サービスを併用することで、翻訳品質が高いと推測される翻訳結果を自動的に選択することができるようになります。

  • KyotoEBMT(用例ベース翻訳)/KyotoEBMT-nlparser_KNP_EDICT/京都大学 情報学研究科 知能情報学専攻 黒橋研究室

与えられた用例対訳から学習する機械翻訳です。与えられた用例対訳と類似する文章を翻訳すると、非常に高い品質の翻訳結果が得られます。現在、日英・英日の翻訳に対応しています。

言語グリッドシンポジウム2011のご案内


 
言語グリッドシンポジウム Webページ

 

2月に言語グリッドシンポジウム2011を開催いたします。このシンポジウムでは、サービスグリッド、Toolboxのオープンソースプロジェクトの本格始動および、言語グリッドを用いた多言語コミュニケーション活動・研究に関する講演を予定しております。是非、ご参加ください。

 

【東京】
日程: 2011年2月21日(月)
時間: 14:00-17:00
会場: 京都大学東京オフィス
(〒108-6027 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟27階)

 

【京都】
日程: 2011年2月22日(火)】
時間: 14:00-17:00
会場: COCON烏丸 4階プレゼンルーム
(〒600-8411 京都市下京区四条烏丸下ル
水銀屋町620 COCON烏丸4Fシティラボ内)


定期メンテナンス 1月・2月

1月・2月の定期メンテナンスは、1月11日(火)、2月7日(月) 18:00-21:00 (JST)に行います。この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。



言語グリッド ユーザ紹介(26) 言語グリッドバンコクオペレーションセンター(NECTEC)

Language Grid Bangkok Operation Center
 
Language Grid Bangkok Operation Center

 

The National Electronics and Computer Technology Center (NECTEC) was established in September 1986. Its main responsibilities are undertaking, supporting, and promoting the development of electronics and computer technologies through research and development. NECTEC also provides a linkage between research communities and industries through established industrial clusters.

The Language Grid Bangkok Operation Center was initiated by Dr. Virach Sornlertlamvanich, assistant director of NECTEC, and is operated by the Human Language Technology (HLT) Laboratory. HLT pursues multidisciplinary research and development in spoken and written language technologies. Its primary objective is facilitating human-machine and human-human communication, by such means as machine translation, information retrieval, speech processing, and language resources.

We are currently collecting Thai NLP in NECTEC for entry into the Bangkok Operation Center, with such services as such as Thai word segmentation, the Lexitron electronic dictionary, and Parsit English-to-Thai automatic machine translation.

We plan to extend the Language Grid to cover our collaborative partners, including Chulalongkorn University, Kasetsart University, Sirindhorn International Institute of Technology, Thai Computational Linguistics, and NICT.




(Thepchai Supnithi, National Electronics and Computer Technology Center (NECTEC))