No.12 
2009年6月1日号 

ヘッダー

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■メールでの配信を希望される方は、langrid-newsletter [at] khn.nict.go.jp までご連絡ください。
言語グリッドニュースレターについて

研究開発サポートのお知らせ

 大学では新学期が始まり、研究室に新入生が加わったところも多いかと思います。
 NICT言語グリッドプロジェクトでは、下記のとおり言語グリッドに関連する研究開発のサポートを行っております。これから研究開発を始められる方は、ぜひサポートを活用してください。すでに言語グリッドユーザとなっている研究室の方々も、新たにメーリングリストへ追加したいメンバーがいらっしゃいましたらどうぞご連絡ください。

  • 開発者向けメーリングリスト

  • 言語グリッドに関して技術的な質問がありましたら、こちらのメーリングリストへ投稿してください。言語グリッドのプログラムエキスパートがお答えいたします。メーリングリストへの登録依頼は、asukam[at]nict.go.jpまでご連絡ください。

  • 技術情報ページ (Language Grid Developers Page)
    最新の技術情報、マニュアル、ダウンロードパッケージをwikiで公開しています。また、上記メーリングリストのアーカイブもございます。


言語グリッドアソシエーション総会開催のお知らせ

 下記の日程で、言語グリッドアソシエーション総会兼運営会議が開催されます。会員の方はご参集ください。また、同日に同会場でアソシエーションのSIGMUSE(教育現場の多言語利用環境を支える情報基盤技術の研究会)第二回報告会が開催されます。こちらも聴講可ですので、併せて聴講希望をお知らせください。(連絡先:アソシエーション事務局 角川 tsuno[at]nict.go.jp)
 
【言語グリッドアソシエーション総会】
日時: 6月27日(土)11:30-12:30
会場: 関西学院大学梅田キャンパス10階 1004教室
    (大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー)
 
【SIGMUSE第二回報告会】
日時: 6月27日(土)10:30-15:30
会場: 同上

定期メンテナンス 7月

7月の定期メンテナンスは、7月 6日(月) 18:00 - 21:00 (JST)に行います。この日時に言語グリッド利用の予定がある場合は、事前にoperation [at] langrid.orgまでご連絡ください。


プレスリリース:多言語医療受付対話支援システムM3を京大病院に設置

M3

 言語グリッドアソシエーション「外国人のための医療支援システム研究会」は先日プレスリリースを行い、多言語医療受付対話支援システムM3(エムキューブ)を、京都大学医学部附属病院の総合案内に設置することを発表しました。
 M3は、多文化共生センターきょうと和歌山大学吉野研究室が中心になり開発を行ってきたシステムです。タッチパネルで操作し、日本語以外を母語とする患者と病院従事者とのコミュニケーション支援に使われます。患者の母語で病院内の情報を得たり、受付の手続きを確認したりすることができます。対応言語は、日本語、英語、中国語、ポルトガル語、韓国朝鮮語です。


電子情報通信学会論文誌 異文化コラボレーション特集号へ論文掲載

 電子情報通信学会論文誌 異文化コラボレーション特集号(Volume J92-D No.6, 2009年06月1日発行)に、言語グリッド関連の論文が掲載されました。
 
外国人患者のための用例対訳を用いた多言語医療受付支援システムの構築
宮部真衣(和歌山大学),吉野孝(和歌山大学),重野亜久里(多文化共生センターきょうと)
 
共通言語を用いた対面型会議における非母語話者支援システムPaneLiveの構築
福島拓(和歌山大学),吉野孝(和歌山大学),喜多千草(関西大学)
 
協調型機械翻訳システムのためのガイド入力インタフェースの開発
岸田章(関西学院大学),間瀬心博(関西学院大学),北村泰彦(関西学院大学)
 
共同翻訳のためのプロトコルの開発
森田大翼(京都大学),石田亨(京都大学)
 
機械翻訳を用いた3言語間コミュニケーションの相互理解の分析
稲葉利江子((独)情報通信研究機構),山下直美(日本電信電話(株)),石田亨(京都大学),葛岡英明(筑波大学)

言語グリッド ユーザ紹介(12) 千葉工業大学 菅原・真部研究室

写真
言語グリッドを使って開発中

千葉工業大学情報ネットワーク学科菅原・真部研究室では、人工知能、マルチエージェントシステムとユビキタスコンピューティングの研究を行ってきました。言語グリッドを当研究室が利用し始めたきっかけは、コンピエニュ工科大学Claude Moulin准教授が、6週間当研究室に滞在されて、自治体の支援システムの共同開発をスタートしたときに始まります。自治体の支援では、市役所の住民サービス窓口に外国からの長期滞在者が、自治体のサービスを受けるための手続きを問い合わせることを例題に選びました。この例題を選んだ理由は、Moulin先生が、ヨーロッパの研究プロジェクト(Terregov: http://www.terregov.eupm.net/my_spip/index.php)に中心メンバーとして参加して、EUのいくつかの国の自治体の間でドキュメントを共有するためのオントロジを開発された経験をお持ちだったからです。EUの各国の間では、労働や経済活動のため、住民が国境を越えて移動することが頻繁に行われているため、自治体関係のドキュメントの相互参照は大事な問題になっているとのことでした。日本も近年、海外からの経済活動のための長期滞在者が増加しているので、自治体窓口での外国語の対応の必要性が増してくるかもしれません。
 このアプリケーションの言語翻訳の機能として言語グリッドを使わせていただくために、Moulin先生とご一緒に石田研究室を訪問しました。そして、いろいろご説明をしていただいて、Moulin先生も利用者登録をされました。現在、フランスの他の研究者と一緒に言語グリッドの研究会を行っているそうです。言語グリッドの国際的な広まりを期待します。